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2016年版8月27日は男はつらいよの日。由来や全作品48作品の紹介。

公開日: : はやりもの


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こんにちは、ヒロです。
8月27日は男はつらいよの日です。
寅さんの映画ですね。かなりの名作です。
由来と全作品紹介します。


Contents

『男はつらいよ』の日とは?

1969年のこの日、山田洋次監督・渥美清主演の映画『男はつらいよ』シリーズの第1作が公開された。
「フーテンの寅」が最初に登場したのはテレビドラマで、この時は最終回で寅さんは死亡した。しかし、あまりの反響の大きさのため映画で復活し、以来48作にも及ぶ世界最長の長編シリーズとなった。
松竹

男はつらいよ全作品紹介


第1作 男はつらいよ

公開日 1969年(昭和44年)8月27日
上映時間 1時間31分
マドンナ役・他 光本幸子(冬子)
ロケ地 京都・奈良
観客動員数 54万3千人
1969年(昭和44年)
 歌・流行語・社会 「夜明けのスキャット」「時には母のない子のように」・モーレツ・アポロ11号月面着陸・セブンスター発売
恵二郎のひとこと
(2000.3.12)
 
「寅さん」との
    出会い  「桜が咲いております。懐かしい葛飾の桜が・・・」で始まる記念すべき第1作が今から約31年前にスタートした。渥美清(寅さん)は41歳,、倍賞千恵子(さくら)28歳、前田吟(博)25歳だった。皆若かった。ちなみに、私は17歳であった。
  私と「男はつらいよ」の出会いは、1971年(昭和46年)、私が予備校通いのため上京して、巣鴨のとげぬき地蔵のすぐ近くに下宿をしていた時だ。受験勉強(?)の合間に何気なく入った映画館(池袋の文芸座だったかな?)で、第1作から第3作までの3本立てを安価で上映していた。その年は、第6作~第8作までの3本が封切され、既に寅さんブームも始まっていた。
 第8作の「寅次郎恋歌」の封切初日には、丸の内ピカデリーまでわざわざ行った。そこで、映画の中とは違う白いスーツ姿の渥美清と、ロビーの階段で握手をしたことが今でも鮮明に脳裏に焼きついている。比較的小柄でおとなしく控えめでうつむき加減の印象であった渥美清は、「寅さん」とは別の人のように思えた。
 この映画は、寅さんを始め、周囲の出演者、日本の古き良き時代の景色・描写、そしてBGMがうまく調和していて身体の生命力を奮い立たせてくれる。ひとつの映画の中に、喜怒哀楽が全て含まれていて、感動を与えてくれる。見終わったあとは、精神的な入浴をしたような爽快感を味わえる。
 第一作では、おいちゃんの「まくら(枕)、さくら取ってくれ!」やご前様の写真撮影時の「バターー(チーズ)」等印象的なギャグや、寅さんの口上も存分に折り込まれている。また、寅さんのジャケットは、後のものと異なり、ネクタイ姿も珍しい。

第2作 続・男はつらいよ

公開日 1969年(昭和44年)11月15日
上映時間 1時間33分
マドンナ役・他 佐藤オリエ(夏子)・ミヤコ蝶々・東野英治郎
ロケ地 京都・三重県柘植
観客動員数 48万9千人
恵二郎のひとこと
(2000.6.10) 寅さんの母親(ミヤコ蝶々)が登場、第7作にも再登場する。
寅さんが柴又で過ごした子供時代の話題が多く、寅さんの過去を知ることができる。ハナマルキ味噌のCMソックリの「おかーァさーん」というギャグが懐かしい。

第3作 男はつらいよフーテンの寅

公開日 1970年(昭和45年)1月15日
上映時間 1時間29分
マドンナ役・他 新珠三千代(お志津)・香山美子・河原崎健三
ロケ地 四日市・湯の山温泉・霧島神宮・桜島・岐阜県中津川
観客動員数 52万6千人
1970年(昭和45年)
 歌・流行語・社会 「走れコータロー」「今日でお別れ」「傷だらけの人生」・ 大阪万国博・よど号ハイジャック・三島由紀夫割腹自殺
恵二郎のひとこと 紹介されたお見合い相手が実は知り合いだったとか、おじちゃん・おばちゃんが旅行先で寅さんに出くわすとか、実際にはあまり考えられない偶然も、寅さんが演じるとイヤミがなく、自然に受入れられてしまう。

第4作 新・男はつらいよ

公開日 1970年(昭和45年)2月27日
上映時間 1時間32分
マドンナ役・他 栗原小巻(春子)・佐山俊二・津坂匡章・横内正
ロケ地 愛知県名古屋
観客動員数 48万5千人
恵二郎のひとこと ハワイに行きそびれた寅さん。同情します。
今から30年前にハワイに行くということの「めずらしさ」が、良くわかる。当たり前だけど出演者は皆若かった。

第5作 男はつらいよ・望郷編

公開日 1970年(昭和45年)8月26日
上映時間 1時間28分
マドンナ役・他 長山藍子(節子)・井川比佐志・松山省二・杉山とく子
ロケ地 千葉県浦安・北海道札幌・小樽
観客動員数 72万7千人
恵二郎のひとこと
(2000.6.10) 寅さんは、汗と油にまみれたまじめな仕事に就こうと努力するが、結局失恋により、元の稼業に就いてしまう。寅さんが自転車で昔懐かしい豆腐屋としてラッパを吹きながら売り歩くシーンや、オーバーオールやハワイアンシャツを着るなど、珍しいシーンが多い。
それにしても、倍賞千恵子は、若くて美人だったんだなーっ。

第6作 男はつらいよ・純情編

公開日 1971年(昭和46年)1月15日
上映時間 1時間29分
マドンナ役・他 若尾文子(夕子)・宮本信子・森繁久弥・松村達雄
ロケ地 長崎県五島列島福江島
観客動員数 85万2千人
1971年(昭和46年)
 歌・流行語・社会 「花嫁」「よこはまたそがれ」「私の城下町」「結婚しようよ」 「また逢う日まで」「知床旅情」「雨の御堂筋」・ $1=360円の固定相場制終る・大鵬引退
恵二郎のひとこと
(2000.6.11) とらやの2階の寅さんの部屋をマドンナ夕子(若尾文子)に貸してしまって、寅さんが帰って来て喧嘩になるパターン。
博(前田吟)にタコ社長(太宰久雄)の工場からの独立を相談された寅さんは、独立をすすめ、一方タコ社長には博を説得することを頼まれて引き受けてしまう。結局寅さんが二人には何も話してないことがわかってしまいひと騒動。タコ社長の奥さんや家族がめずらしく登場している。

第7作 男はつらいよ・奮闘編

公開日 1971年(昭和46年)4月28日
上映時間 1時間31分
マドンナ役・他 榊原るみ(花子)・田中邦衛・ミヤコ蝶々・犬塚弘・柳家小さん
ロケ地 新潟県越後広瀬・静岡県沼津・青森県鯵ヶ沢
観客動員数 92万6千人
恵二郎のひとこと
(2000.6.11) 寅さんが間接的なプロポーズをするが、少し智恵遅れの花子(榊原るみ)には伝わらず、結局はあきらめてしまう。
セリフの中に出てくる物価(ラーメン80円、沼津から弘前までの汽車賃3000円)
とらや一家と喧嘩をして旅に出る時の、寅さんの名セリフ「夏になったら鳴きながら必ず帰ってくる燕(つばくろ)さえも、何かを境にパッタリ姿を見せなくなることもあるんだぜ」

第8作 男はつらいよ・寅次郎恋歌

公開日 1971年(昭和46年)12月29日
上映時間 1時間53分
マドンナ役・他 池内淳子(貴子)・志村喬・吉田義夫・穂積隆信
ロケ地 岡山県備中高梁・山梨県甲斐大泉
観客動員数 148万1千人
恵二郎のひとこと
(2000.6.10)  寅さん映画の中で封切初日に見た多分唯一の作品で、いつまでも印象に残っている。
 昭和46年(1971年)の12月29日、丸の内ピカデリーでのことだ。その日は渥美清も初日ということで挨拶に来ていて、握手をした記憶が今でも鮮明に残っている。同時上映はその当時から人気絶頂だった「ドリフターズの全員集合!!」だった。
 「りんどうの花が庭先いっぱいに咲いている家の茶の間で、家族全員が夕食をするというようなささやかな生活こそ幸せなんだ」という言葉が、何故か記憶に残っている。
 また、マドンナの貴子(池内淳子)が経営していた喫茶店「ローク」は、帝釈天入り口に向かって、左手50メートルぐらいの突き当たりに道路を挟んで実際にあった。その年の大晦日には、初詣でに帝釈天まで行ったのだが、映画に出てきた喫茶店と同じ店を実際に見ることができて感動したものだ。その後は蕎麦屋になったりして、今年の初めに柴又に行った時は、確か、うなぎ屋に変わっていた。ただ、狭い間口は同じでなんとなく面影は残っていた。

第9作 男はつらいよ・柴又慕情

公開日 1972年(昭和47年)8月5日
上映時間 1時間47分
マドンナ役・他 吉永小百合(歌子)・宮口精二・佐山俊二・高橋基子
ロケ地 石川県金沢・福井県東尋坊・越前松島・岐阜県多治見
観客動員数 188万9千人
1972年(昭和47年)
 歌・流行語・社会 「瀬戸の花嫁」「喝采」「せんせい」「どうにもとまらない」・ 札幌冬季オリンピック・沖縄返還・パンダ・恥ずかしながら
恵二郎のひとこと
(2000.6.17) JRの「ディスカバージャパン」が流行っていた時代。金沢を旅する3人の娘と知り合う寅さん。その中のひとり歌子(吉永小百合)がマドンナ。彼女達の服装が懐かしい。丁度私が20歳の頃で、ミニスカートやベルボトムのジーンズ等が流行っていた。

第10作 男はつらいよ・寅次郎夢枕

公開日 1972年(昭和47年)12月29日
上映時間 1時間38分
マドンナ役・他 八千草薫(千代)・吉田義夫・米倉斉加年・田中絹代
ロケ地 山梨県北巨宅摩郡
観客動員数 211万1千人
恵二郎のひとこと
(2000.9.9) 「寅ちゃんとなら、一緒に暮らしてもいいわ」、寅さんのプロポーズと勘違いしたマドンナの千代(八千草薫)は寅さんに逆プロポーズした形になった。が、寅さんは大学助教授の岡倉先生(米倉斉加年)の恋のキューピットをしていたのだ。
自分のこととなったら腰を抜かしてしまう寅さん、それがまた寅さんらしいところであり、この映画が48作まで続いた重要なストーリーのパターンでもある。でも、寅さんファンにとってはもったいないことをしたという反面、後になって考えてみると、このパターンで良かったのだと妙に納得してしまう。

第11作 男はつらいよ・寅次郎忘れな草

公開日 1973年(昭和48年)8月4日
上映時間 1時間39分
マドンナ役・他 浅丘ルリ子(リリー)・吉田義夫・毒蝮三太夫
ロケ地 北海道網走・釧路湿原
観客動員数 239万5千人
1973年(昭和48年)
 歌・流行語・社会 「神田川」「くちなしの花」「あなた」「危険なふたり」・ ハイセイコー・金大中事件・第一次石油ショック
恵二郎のひとこと
(2000.9.16) 寅さん映画のマドンナとして一番人気があり、第15作「寅次郎相合傘」、第25作「寅次郎 ハイビスカスの花」、最終作の第48作「寅次郎 紅の花」にもマドンナとなるリリー(浅丘ルリ子)の第一作目。
全48作中、非常に好きな作品の一つだ。
お互いに旅暮らしの似通った生活をしている二人は、好意を持ち合いながらも結局意地の張り合いで、最後には離れ離れになってしまう。このストーリーはこの3作を通じて大きく変わらない。ただ、二人が次第に年齢を重ねていくに従い、「あ、うん」の呼吸が二人の中に生まれ、離れていても互いをいつも思いやっている雰囲気が、最終48作にはでていて、二人が喧嘩をして別れてしまっても、寅さんファンにとっては何故か安心感がある。
■ 寅さん映画は、出演者の着ているもの・話題、街の様子、同時に流れるその時々の流行歌等によって、自分の生きてきた過去の時代に戻ることができ、感傷にひたることも多い。昭和48年、私は20ぐらい、大学2年で、横浜の日吉のアパートにいて、「神田川」が流行っていた。銭湯に行く時はやはり「石鹸の音がカタカタ」したり、冬は手ぬぐい(昔はタオルのことをこう呼んでいた)をマフラー替わりにもした。そんな自分の記憶と、寅さん映画がダブルことも多い。

第12作 男はつらいよ・私の寅さん

公開日 1973年(昭和48年)12月26日
上映時間 1時間47分
マドンナ役・他 岸恵子(りつ子)・前田武彦・津川雅彦・河原崎国太郎
ロケ地 熊本・阿蘇山・大分県別府
観客動員数 241万9千人
恵二郎のひとこと
(2000.9.17) とらや一家がめずらしく全員で九州旅行に行き、丁度帰ってきた寅さんは、留守番というストーリーで始まる。さくら達は、一人で留守番をしている寅さんに、旅行先から毎晩電話をしたりして、ゆっくりと旅を楽しめず、予定よりも早めに帰ってきてしまう。「8時になったら電話しなくちゃ」「隠しておいたジョニ赤飲んじゃった」など、20年以上前の生活感覚がでていて懐かしい。
今回のマドンナは、小学生時代の友人の妹・りつ子(岸恵子)でストーリーはもう一歩だが、観客動員数は、この12作が最高だ。前作のリリーの初登場で観客動員数が跳ね上がったのではないかと思う。

第13作 男はつらいよ・寅次郎恋やつれ

公開日 1974年(昭和49年)8月10日
上映時間 1時間44分
マドンナ役・他 吉永小百合(歌子)・宮口精二・高田敏江・高橋基子
ロケ地 島根県津和野・温泉津・益田
観客動員数 194万4千人
1974年(昭和49年)
 歌・流行語・社会 「襟裳岬」「精霊流し」「二人でお酒を」・ 田中首相金脈問題で退陣・長島茂雄現役引退

第14作 男はつらいよ・寅次郎子守唄

公開日 1974年(昭和49年)12月28日
上映時間 1時間43分
マドンナ役・他 十朱幸代(京子)・上條恒彦・春川ますみ・月亭八方
ロケ地 群馬県磯部温泉・信州・佐賀県唐津・呼子港
観客動員数 226万7千人
恵二郎のひとこと
(2000.5.7) 佐賀唐津で赤ちゃんを押し付けられ、おんぶして柴又まで帰ってきた寅さん。寅さんの子供と間違えられて一騒動。そして赤ちゃんが病気になってかかった病院の看護婦さん京子(十朱幸代)に、また熱をあげてしまう。しかし、むさ苦しい(?)青年(上條恒彦)に、心で負けてしまう寅さん。また失恋をしてしまう。
3代目おいちゃんに下條正巳登場。

第15作 男はつらいよ・寅次郎相合い傘

公開日 1975年(昭和50年)8月2日
上映時間 1時間30分
マドンナ役・他 浅丘ルリ子(リリー)・船越英二・岩崎加根子・久里千春
ロケ地 青森・函館・札幌・小樽
観客動員数 200万人
1975年(昭和50年)
 歌・流行語・社会 「シクラメンのかほり」「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」・ 新幹線博多まで開通・セブンスター130円
恵二郎のひとこと
(2000.9.24) マドンナ・リリーの第2作目。やはりこのコンビは素晴らしい。リリーと寅さんは完全に心が通じあっている。喧嘩をして別れてしまった二人を見ていても安心してみていることができる。
雨が降り出した夜、仕事帰りのリリーを柴又の駅まで、とらやの番傘を持って迎えにいった寅さんを見つけて、リリーは嬉しそうに「迎えに来てくれたの?」「バカヤロウ、散歩だよ」と寅さん。といっても二人は仲良く一つのカサの中に入って帝釈天の参道を「とらや」まで帰る。カメラアングルが2階から、二人の入ったかさを映す。二人の姿は足元しか見えないが、とらやの文字が入った番傘がクルリと回る。カサが軽やかに回るシーンは、本当に二人の気持ちを表している。洋画のラブストーリーを見ているようなシーンで、胸が熱くなった。

第16作 男はつらいよ・葛飾立志編

公開日 1975年(昭和50年)12月27日
上映時間 1時間40分
マドンナ役・他 樫山文枝(礼子)・桜田淳子・小林桂樹・米倉斉加年
ロケ地 山形県寒河江市
観客動員数 213万1千人
恵二郎のひとこと
(2000.5.9) 寅さんのいつものシーンでは見ることのできないシーンが数多くある。学問をする寅さん。メガネをかけた寅さん。学生服を着て東大生にになりすまして商売をする寅さん。そして高校生になった自分の娘(桜田淳子)と再会する寅さん、これは、その娘の勘違いなのですが・・・。メガネの寅さんはなかなか似合っていた。

第17作 男はつらいよ・寅次郎夕焼け小焼け

公開日 1976年(昭和51年)7月24日
上映時間 1時間49分
マドンナ役・他 太地喜和子(ぼたん)・宇野重吉・岡田嘉子・寺尾聡
ロケ地 兵庫県竜野市
観客動員数 168万5千人
1976年(昭和51年)
 歌・流行語・社会 「ペッパー警部」「およげたいやきくん」「なごり雪」「岸壁の母」・ロッキード事件で田中前首相逮捕・毛沢東主席死去
恵二郎のひとこと
(2000.4.29) いつまでも印象に残る作品のひとつだ。ぼたん(太地消喜和子)の明るさの中にも色気のある演技と、ルンペン風の老人、実は有名な日本画家(宇野重吉)、そして寅さんとの組み合わせは、面白いようにストーリーの中で結びついている。そして、画面に映し出される龍野市の昔ながらの街の風景(黒塗りの民家・赤い円柱のポスト・アイスキャンディー売り・川の流れ)は、古き良き日本を感じられ忘れ難い。

第18作 男はつらいよ・寅次郎純情詩集

公開日 1976年(昭和51年)12月25日
上映時間 1時間43分
マドンナ役・他 京マチ子(綾)・壇ふみ・谷村昌彦・赤塚真人
ロケ地 長野県別所温泉・新潟県六日町
観客動員数 172万6千人
恵二郎のひとこと
(2000.5.7) 寅さん映画の中では、唯一(?)マドンナ(綾)が亡くなってしまうパターン。
近所に住む満男の先生(壇ふみ)のお母さん(京マチ子)に思いをはせてしまう。病気がちの綾を訪ねて毎日のようにお屋敷に通う寅さん。綾の命が短いことを知らない寅さんは、将来綾と二人で店を開くことまでも考えてしまう。そして寅さんにとっては、綾の突然の死、また旅にでてしまう。
私も何度か行ったことのある長野県別所温泉の風景が懐かしい。

第19作 男はつらいよ・寅次郎と殿様

公開日 1977年(昭和52年)8月6日
上映時間 1時間39分
マドンナ役・他 真野響子(鞠子)・嵐寛寿郎・三木のり平・平田昭彦
ロケ地 愛媛県松山市・大洲市
観客動員数 140万2千人
1977年(昭和52年)
 歌・流行語・社会 「津軽海峡冬景色」「北国の春」・ニューファミリー・円高・日本赤軍日航機ハイジャック・青酸カリ入りコーラ事件
恵二郎のひとこと
(2000.4.30) 寅さん映画のひとつの面白さは、見ている観客が次はこうなるだろうと想像した通りのストーリーになるところだ。この作品も、大州の殿様(嵐寛寿郎)の、嫁の鞠子(真野響子)を見つけ出して欲しいとの切なる願いを聞いて、探し回るが見つからず、諦めかけたところに鞠子が現れるという筋書きだ。寅さん一家のドタバタシーン、寅さんの名セリフ、そして、しんみりと泣かせる場面もあり、このワンパターンが観客を惹きつける。

第20作 男はつらいよ・寅次郎頑張れ

公開日 1977年(昭和52年)12月24日
上映時間 1時間35分
マドンナ役・他 藤村志保(藤子)・中村雅俊・大竹しのぶ・桜井センリ
ロケ地 長崎県平戸島
観客動員数 188万1千人
恵二郎のひとこと 幸子(大竹しのぶ)が働いていた食堂のモデルの店に、先日行ってきました。柴又駅のすぐ近くの店で、カウンターと出入り口のあたりになんとなく撮影時の雰囲気が残っています。

第21作 男はつらいよ・寅次郎わが道をゆく

公開日 1978年(昭和53年)8月5日
マドンナ役・他 木の実ナナ(奈々子)・武田鉄矢・竜雷太・松竹歌劇団(SKD)
ロケ地 熊本県阿蘇・田の原温泉
上映時間 1時間47分
観客動員数 189万7千人
1978年(昭和53年)
 歌・流行語・社会 「君の瞳は100万ボルト」「UFO」キャンディーズ解散・ 江川 巨人と電撃契約・新東京国際空港(成田)開港
恵二郎のひとこと 松竹歌劇団(SKD)の踊り子に恋をする九州男児 留吉(武田鉄矢) と、紅奈々子(木の実ナナ)に恋をする寅さんとのダブル失恋で、おかしくも哀しいストーリー。さすが武田鉄矢の演技もうまい。

第22作 男はつらいよ・噂の寅次郎

公開日 1978年(昭和53年)12月27日
マドンナ役・他 大原麗子(早苗)・室田日出男・泉ピン子・志村喬
ロケ地 長野県木曽福島・静岡県大井川
上映時間 1時間44分
観客動員数 191万5千人
恵二郎のひとこと 早苗(大原麗子)に思いを寄せるいとこの添田(室田日出男)のために、身を引く寅さん。これが寅さんのいいところであり、今の日本人が忘れかけている気持ちなのかも知れない。 あの哀愁はなんとも言えない。

第23作 男はつらいよ・翔んでる寅次郎

公開日 1979年(昭和54年)8月4日
マドンナ役・他 桃井かおり(ひとみ)・布施明・湯原昌幸・木暮実千代
ロケ地 北海道支こつ湖周辺
上映時間 1時間47分
観客動員数 172万6千人
1979年(昭和54年)
 歌・流行語・社会 「関白宣言」「ヤングマン」・オジンオバン・ギャル・ダサイ・熟年・しかと・インベーダーゲーム人気・大学入試共通一次スタート・東京サミット
恵二郎のひとこと
(2000.2.5) 邦夫(布施明)との形だけの結婚式から逃げ出したひとみ(桃井かおり)が、寅さんの仲人で、再び心の通い合った結婚式を挙げる。30数年前の「雨の中の二人」という恋愛テレビドラマのテーマソングに似た音楽が、二人の結婚を盛り上げている。

第24作 男はつらいよ・寅次郎春の夢

公開日 1979年(昭和54年)12月28日
マドンナ役・他 香川京子(圭子)・ハーブエデルマン・林寛子
ロケ地 和歌山・京都・西陣・アメリカアリゾナ
上映時間 1時間44分
観客動員数 184万1千人
恵二郎のひとこと
(2000.2.15) 米国人の薬の営業マン・マイケルのカリフォルニアの田舎のカントリー調の音楽が、日本の寅さんの映画と良くあっている。
マイケルは、さくらに失恋し、まさに米国版の寅さんだ。

第25作 男はつらいよ・寅次郎ハイビスカスの花

公開日 1980年(昭和55年)8月2日
マドンナ役・他 浅丘ルリ子(リリー)・江藤潤
ロケ地 沖縄・群馬県草津
上映時間 1時間44分
観客動員数 206万3千人
1980年(昭和53年)
 歌・流行語・社会 「ダンシングオールナイト」「昴」「恋人よ」「青い珊瑚礁」・王・野村現役引退・セブンスター180円・初任給101,600円
恵二郎のひとこと
(2000.4.19)  寅さんシリーズの中でも傑作中の傑作。
 マドンナは3度目の登場となるリリー(浅丘ルリ子)。突然沖縄で倒れたリリーの看護に行った寅さん。寅さんの看護で元気になったりりーと、半同棲生活をする二人。リリーが遠回しにプロポーズをするが、結局うまくいかない。

リリー「お金がないから働くことにしたわ」
寅さん「俺がなんとかしてやるから、もう少し療養していろよ」
リリー「男に食わしてもらうなんてまっぴら。でも、あんたと私が夫婦だったら別よ」
寅さん「お互い所帯なんかもつガラかよ」
リリー「あんた、女の気持ちなんか、わかんないのね」

 年中旅をしながら仕事をしている二人。結婚して定住してしまうことが幸せなのか、二人の微妙な気持ちの揺れ動きがある。見ている観客は歯がゆい気がするが、今のままの方が二人にとっては幸せなのかもしれない。
 また、沖縄の猛烈な厚さで、細い電柱の影に入って涼をとろうとする寅さんの演技はギャグとして傑作だ。また、リリーが入院している病室での二人の会話も印象的でおもしろい。
 この第25作と同時上映されたのが、「思えば遠くへ来たもんだ」であり、教師として単身赴任した武田鉄矢主演のこの映画も素晴らしかった。

第26作 男はつらいよ・寅次郎かもめ歌

公開日 1980年(昭和55年)12月27日
マドンナ役・他 伊藤蘭(すみれ)・あき竹城・杉山とく子
ロケ地 北海道江差・奥尻島・徳島県鳴門
上映時間 1時間38分
観客動員数 188万9千人

第27作 男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎

公開日 1981年(昭和56年)8月8日
マドンナ役・他 松坂慶子(ふみ)・芦屋雁之助・大村崑・正司照江・花江
ロケ地 瀬戸内海・大阪天王寺・生駒山・長崎県対馬
上映時間 1時間44分
観客動員数 182万1千人
1981年(昭和56年)
 歌・流行語・社会 「ルビーの指輪」「長い夜」・窓際のトットちゃん・ 漫画「キャプテン翼」「タッチ」「うる星やつら」・米レーガン大統領就任・
恵二郎のひとこと
(2000.4.29) 松坂慶子(ふみ)が若い。第46作「寅次郎の縁談」にもマドンナ(葉子)として出演しているが、私と同世代のためか、特にその印象を受ける。
松坂慶子がマドンナのこの2作は、何故関西弁で大坂と瀬戸内海が舞台になったのだろうか。素朴な疑問だ。


第28作 男はつらいよ・寅次郎紙風船

公開日 1981年(昭和56年)12月28日
マドンナ役・他 音無美紀子(光枝)・岸本加世子・東八郎・前田武彦・小沢昭一
ロケ地 大分県夜明・福岡県秋月・朝倉・静岡県焼津
上映時間 1時間41分
観客動員数 144万8千人
恵二郎のひとこと
(2000.5.7) 九州の田舎の山・川の風景が懐かしく郷愁をさそう。
病に倒れた仕事友達から「オレが亡くなったら女房(音無美紀子)と一緒になってくれと言われ、約束した寅さんだが、その友達が亡くなり、最後の場面でその女房(光枝)から遺言について聞かれた時「適当にあいづちうっていたのよ」と心にもないことを答えてしまう。今回は光枝との結婚を本気で考え、ネクタイをして就職試験を受けたり、家財道具の心配をしたりしたが、やはり結末はいつもと同じ事になってしまった。

第29作 男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋

公開日 1982年(昭和57年)8月7日
マドンナ役・他 いしだあゆみ(かがり)・柄本明
ロケ地 京都・丹後半島・信濃大町木崎湖・鎌倉・江ノ島・彦根
上映時間 1時間50分
観客動員数 139万3千人
1982年(昭和57年)
 歌・流行語・社会 「待つわ」「セーラー服と機関銃」「北酒場」・東北上越新幹線開通・三越騒動・ホテルニュージャパン火災・500円硬貨発行
恵二郎のひとこと
(2000.4.30) 寅さんとかがり(いしだあゆみ)のシリアルな恋。全作品の中でも、なんとなく重苦しく、洋画のラブストーリーを見ているような雰囲気にさえなる。しかし、旅先では話がうまく面白い寅さんとは異なり、意識し過ぎて緊張した寅さんと鎌倉のあじさい寺で再会したかがりの気持ちは、寅さんから離れていってしまう。二人のデートに付き合わされる満男(吉岡秀隆・・・第27作から登場)も可愛らしい。 私の好きな作品ベスト10に入る。


第30作 男はつらいよ・花も嵐も寅次郎

公開日 1982年(昭和57年)12月28日
マドンナ役・他 田中裕子(蛍子)・沢田研二・馬渕春子・内田朝雄・朝丘雪路・児島みゆき
ロケ地 大分県杵築・鉄輪温泉・湯ノ平温泉・志高湖・臼杵・湯布院
上映時間 1時間46分
観客動員数 228万2千人
恵二郎のひとこと
(2000.10.8) 観客動員数が3番目に多い第30作。1位は、第12作目の「私の寅さん」(岸恵子)242万人、、2位は第11作目の「寅次郎忘れな草」(浅丘ルリ子)240万人、 そして第30作に続く。観客動員数は、その作品よりも前の1~2作の人気に比例して増えているのではないかと考えられる。
1位の第12作は、その前の第11作目、マドンナ浅丘ルリ子が好評であり、2位は第11作は、第9作の「柴又慕情」(吉永小百合)が好評だったからと考えられる。また、3位の第30作は、一つ前の第29作「寅次郎あじさいの恋」(いしだあゆみ)によるところが大きい。
この第30作は、無口で奥手な三郎(沢田研二)の恋を、寅さんが助けるというストーリーだが、内容自体は特に目新しいものはない。ただ、蛍子(田中裕子)が「三郎さんはハンサムすぎて嫌だ」という言葉に対して、三郎は寅さんに「男は顔ですか?」と問い掛けるシーンで、寅さんの表情や反応が面白い。

第31作 男はつらいよ・旅と女と寅次郎

公開日 1983年(昭和58年)8月6日
マドンナ役・他 都はるみ(はるみ)・藤岡琢也・北林谷栄・木ノ葉のこ
ロケ地 新潟県佐渡・小千谷・白根・新潟・北海道羊蹄山周辺
上映時間 1時間41分
観客動員数 151万1千人
1983年(昭和58年)
 歌・流行語・社会 「矢切の渡し」「釜山港へ帰れ」「ラブイズオーバー」・軽薄短小・いいとも・ やるっきゃない・ダサイタマ・おしんブーム・大韓航空機撃墜
恵二郎のひとこと
(2000.2.15) ワンパターンと言われている寅さん映画でも、各々の切り口には新鮮味がある。今回は「京はるみ」という有名な演歌歌手との接点が面白い。知り合いであることを口外しないで通し続けた寅さんだが・・・。結局はワンパターンで終わる。

第32作 男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎

公開日 1983年(昭和58年)12月28日
マドンナ役・他 竹下景子(朋子)・中井貴一・杉田かおる・レオナルド熊
ロケ地 岡山県高梁市・広島県因島
上映時間 1時間45分
観客動員数 148万9千人
恵二郎のひとこと
(2000.2.25) 「男はつらいよ」全48作の中でも傑作中の傑作。
岡山県高梁のお寺の出戻り娘 朋子(竹下景子)に、いつものごとく惹かれて、朋子の父親である住職に変わって法事を勤める。寅さん住職の振る舞い・訓話は最高。また、博の父親の3回忌に来た諏訪一家の驚いた表情も見逃せない。寅さんの坊さん姿は似合う(?)
朋子も寅さんに好意を持っているのに、最後の一言が言えず、結局いつものパターンになってしまう。おすすめの一作です。


第33作 男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎

公開日 1984年(昭和59年)8月4日
マドンナ役・他 中原理恵(風子)・渡瀬恒彦・佐藤B作・加藤武
ロケ地 北海道根室・釧路・中標津・岩手県盛岡
上映時間 1時間42分
観客動員数 137万9千人
1984年(昭和59年)
 歌・流行語・社会 「浪花節だよ人生は」「夫婦坂」・ロサンゼルスオリンッピック・新札発行・江崎クリコ社長誘拐事件・ロス疑惑騒動
恵二郎のひとこと
(2000.2.25) 寅さんの映画は、昔懐かしい幼かった頃の、忘れていた風景が目に飛び込む。北海道の平原の中でポツンとある駅と 2両編成のディーゼル車、サーカスやお祭りの描写・・・。
自分の進む道を探し求めている風子(中原理恵)に、真剣にアドバイスをし、心配する寅さん。風子の結婚式に出席するために山越えをし、クマに襲われる寅さん。

第34作 男はつらいよ・寅次郎真実一路

公開日 1984年(昭和59年)12月28日
マドンナ役・他 大原麗子(ふじ子)・津島恵子・辰巳柳太郎・米倉斉加年
ロケ地 鹿児島県枕崎・桜島・茨城県牛久沼
上映時間 1時間45分
観客動員数 144万8千人
恵二郎のひとこと
(2000.2.27) 証券会社のサラリーマンを夫にもつふじ子(大原麗子)に恋をしてしまう寅さん。寅さんの生きている世界と場違いの感のあるサラリーマンの世界。日本橋の証券会社を訪ねた寅さんは、見ていてなんとなく違和感があって面白い。

第35作 男はつらいよ・寅次郎恋愛塾

公開日 1985年(昭和60年)8月3日
マドンナ役・他 樋口可南子(若菜)・平田満
ロケ地 秋田県鹿角市・長崎県五島列島
上映時間 1時間48分
観客動員数 137万9千人
1985年(昭和60年)
 歌・流行語・社会 「愛人」「なんてったてアイドル」「俺ら東京さいくだ」・筑波科学万博・日航ジャンボ機群馬山中に墜落・ソ連ゴルバチョフ書記長就任
恵二郎のひとこと 司法試験をめざしている真面目青年民夫(平田満)に、同じアパートに住む若菜(樋口可南子)との交際テクニックを伝授する寅さん、そのテクニックは古いが、それがまた面白い。

第36作 男はつらいよ・柴又より愛をこめて

公開日 1985年(昭和60年)12月28日
マドンナ役・他 栗原小巻(真知子)・川谷拓三
ロケ地 静岡県下田・浜名湖・式根島・福島県会津高田・柳津
上映時間 1時間45分
観客動員数 140万7千人
恵二郎のひとこと
(2000.3.4) 寅さん版「24の瞳」。式根島の小学校yの真知子先生(栗原小巻)に恋をしてしまう寅さん。結局同じパターンになってしまうが、寅さん映画のストーリーの切り口は多様で、見ていて飽きさせない。また、タコ社長の娘あけみ(美保純)と寅さんのシーンも楽しみな一コマだ。

第37作 男はつらいよ・幸福の青い鳥

公開日 1986年(昭和61年)12月20日
マドンナ役・他 志穂美悦子(美保)・長渕剛
ロケ地 山口県萩・下関・福岡県飯塚・田川・神奈川県芦ノ湖
上映時間 1時間46分
観客動員数 151万1千人
1986年(昭和61年)
 歌・流行語・社会 「デザイアー」「熱き心に」・究極・プッツン・新人類・マジ・亭主元気で留守がいい・英チャールズ皇太子夫妻来日
恵二郎のひとこと
(2000.3.26) 寅さんの口上(ひとりセリフ?)は、とにかく上手い。くるまやの茶の間に皆が集まり夕食のシーン。そして、寅さんの口上が始まる。今回は美保(志穂美悦子)のお婿さんを探してやろうという話だが、結婚して赤ちゃんがオギャーと泣いて生まれてくるところまで、ひとりよがりでの思い込みで話が進む。寅さんの演技は、面白くて楽しい。寅さんの口上は、寅さん映画のひとつのみどころだ。

第38作 男はつらいよ・知床慕情

公開日 1987年(昭和62年)8月15日
マドンナ役・他 竹下景子(りん子)・三船敏郎・淡路恵子
ロケ地 北海道宇登呂・札幌・川湯温泉・秋田県角館
上映時間 1時間47分
観客動員数 207万4千人
1987年(昭和62年)
 歌・流行語・社会 「命くれない」「雪国」・国鉄分割・民営化でJRに・ 衣笠祥雄国民栄誉賞・竹下内閣成立
恵二郎のひとこと 知床で獣医をしている堅物の順吉(三船敏郎)が、故郷新潟に帰るという悦子(淡路恵子)に、皆の前で言葉に詰まりながらも「帰っちゃいかん!俺が惚れているからだ!」というシーンは見もの。

第39作 男はつらいよ・寅次郎物語

公開日 1987年(昭和62年)12月26日
マドンナ役・他 秋吉久美子(隆子)・五月みどり
ロケ地 和歌山県和歌の浦・三重県伊勢志摩・奈良県吉野
上映時間 1時間41分
観客動員数 143万4千人
恵二郎のひとこと
(2000.3.5) 病気で亡くなったテキ屋仲間の息子の母親(五月みどり)を探し求めて一緒に旅をする寅さん。その子と寅さんがどことなく似ているところが、見ている側からは色々な想像ができておもしろい。マドンナの隆子(秋吉久美子)と、オトウサン・オカアサンと呼び合いその子の看病をするシーンが見もの。

第40作 男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日

公開日 1988年(昭和63年)12月24日
マドンナ役・他 三田佳子(真知子)・三田寛子・鈴木光枝・奈良岡朋子
ロケ地 長野県小諸・長崎県島原
上映時間 1時間40分
観客動員数 182万2千人
1988年(昭和63年)
 歌・流行語・社会 「乾杯」「人生いろいろ」・DINKS・地価高騰・朝シャン・マスオさん現象・ソウルオリンピック・リクルート事件
恵二郎のひとこと
(2000.10.14) 「もう一度、見てみるとなお、感動し、なかなかイケル、サラダ記念日」
もう一度見てみると、結構感動もののストーリーだ。一人暮らしのおばあちゃんが、入院する時に「これが最後の見納めだ」と寂しそうな表情で、長年住み慣れた自宅を見つめるシーンが印象深い。きっと、50年ぐらい前に、自分がお嫁にきて、子供が生まれ、学校に通うようになり、そして成長し独り立ちしてしまった。夫も先に亡くなり、長いようで短かった懐かしいその家での生活も、今日で終わりなんだという、万感胸いっぱいの気持ちで去り難く見つめているシーンが忘れられない。

第41作 男はつらいよ・寅次郎心の旅路

公開日 1989(平成元年)8月5日
マドンナ役・他 竹下景子(久美子)・柄本明・淡路恵子
ロケ地 宮城県鳴子温泉・ウィーン・アムステルダム
上映時間 1時間49分
観客動員数 185万2千人
1989年(平成元年)
 歌・流行語・社会 「川の流れのように」・アッシー君・オヤジギャル・3K・セクハラ・昭和天皇崩御・宇野内閣・海部内閣
恵二郎のひとこと
(2000.3.12) 寅さんが、ひょんなことからウィーンに行ってしまった。ウィーンでツアーガイドをしている久美子(竹下景子)と知り合い、しばらく日本に帰ってない久美子と一緒に日本へ帰ることになるが、空港でのどんでん返しで、いつものパターンに戻る。寅さんが言葉の通じないウィーンの女性と、異なった言葉同士で話をするシーンが見もの。言葉は異なっても、お互いに意志疎通ができてしまうのだ。

第42作 男はつらいよ・ぼくの伯父さん

公開日 1989(平成元年)12月27日
マドンナ役・他 後藤久美子(泉)・檀ふみ・夏木マリ
ロケ地 佐賀県吉野ヶ里・古湯温泉
上映時間 1時間48分
観客動員数 190万5千人
恵二郎のひとこと
(2000.10.8) 甥の満男(吉岡秀隆)が、半主役になった第1作目。この作品を改めてもう一度見ると、ベスト10に入るくらいに印象に残るものがあった。大学浪人の満男が高校の後輩の泉(後藤久美子)に恋をして、九州の佐賀まで数日かけてバイクで会いにいく。寅さん映画が青春映画に変わったのかと思うくらいのストーリーだ。そんな満男を非常識だと言う泉の叔父に対して、寅さんは静かに言った。
「私のようなできそこないが、こんなことを言うと笑われるかもしれませんが・・・、私は甥を間違ったことはしていないと思います。慣れない土地へ来て、寂しい思いをしているお嬢さんを慰めようと、両親にも内緒ではるばるオートバイでやってきた満男を、私はむしろよくやったと褒めてやりたいと思います」と。

第43作 男はつらいよ・寅次郎の休日

公開日 1990(平成2年)12月22日
マドンナ役・他 後藤久美子(泉)・夏木マリ・寺尾聡・宮崎美子
ロケ地 大分県日田市
上映時間 1時間45分
観客動員数 208万3千人
1990年(平成2年)
 歌・流行語・社会 「おどるポンポコリン」「鉄骨娘」・ティラミス・GNP初の400億突破・東西ドイツ統合
恵二郎のひとこと 満男(吉岡秀隆)が、半主役になった第2作目。満男(吉岡秀隆)の演技は、素人さが残る中にもなんとも言えない味があって好きだ。大分県日田市の旅館で、泉(後藤久美子)親子と寅さんの4人で親子になりすます場面が印象に残る。

第44作 男はつらいよ・寅次郎の告白

公開日 1991(平成3年)12月23日
マドンナ役・他 後藤久美子(泉)・吉田日出子・夏木マリ
ロケ地 鳥取県鳥取・倉吉・岐阜県姪川村
上映時間 1時間44分
観客動員数 211万1千人
1991年(平成3年)
 歌・流行語・社会 宮沢喜一内閣・千代の富士引退・中東湾岸戦争


第45作 男はつらいよ・寅次郎の青春

公開日 1992(平成4年)12月26日
マドンナ役・他 風吹ジュン(蝶子)・永瀬正敏・後藤久美子・夏木マリ
ロケ地 宮崎県日南市串間・南郷・山之口・岐阜県下呂温泉
上映時間 1時間41分
観客動員数 207万人
1992年(平成4年)
 歌・流行語・社会 バブル経済崩壊・尾崎豊死去・バルセロナオリンピック
恵二郎のひとこと
(2000.3.19) 満男と泉、寅さんとマドンナ(蝶子)との2本立てストーリーで始まり途中で一つのストーリーとなるパターン。寅さんが蝶子に散髪をしてもらうシーンが印象的。ゆったりとした時間が流れる田舎町の昼下がり、クラシック音楽が聞こえ、さわやかな秋風がカーテンを揺らし、リラックスした気分で散髪椅子に横たわる寅さん。不思議と魅せられ印象に残るシーンだ。


第46作 男はつらいよ・寅次郎の縁談

公開日 1993(平成5年)12月25日
マドンナ役・他 松坂慶子(葉子)・松金よね子・光本幸子
ロケ地 香川県金刀比羅宮・小豆島・高松・志々島・高見島
上映時間 1時間46分
観客動員数 216万2千人
1993年(平成5年)
 歌・流行語・社会 リストラ・ヘアヌード・聞いてないよォ!・Jリーグ現象・ナタデココ・皇太子様雅子様ご成婚・北海道南西沖地震・細川連立内閣
恵二郎のひとこと
(2000.3.25) 瀬戸内海の小島(琴島)を舞台にして、寅さんと満男のダブル失恋ストーリー。満男と涙の別れをした島の看護婦さんが、満男とのことをすっかり忘れてしまったかのように、新しい恋人と仲睦まじくしている最後のシーンで、寅さんの安心したような、そしてどことなく寂しそうな顔つきが印象的だ。

第47作 男はつらいよ・拝啓 車寅次郎様

公開日 1994(平成6年)12月23日
マドンナ役・他 かたせ梨乃(典子)・小林幸子・牧瀬里穂
ロケ地 滋賀県長浜・湖北十二町
上映時間 1時間43分
観客動員数 217万6千人
1994年(平成6年)
 歌・流行語・社会 コギャル・価格破壊・ポケベル・コメ不足・円高進む(1ドル=99円代)・羽田内閣・村山内閣
恵二郎のひとこと
(2000.4.29) 渥美清の表情に疲れがみれる。最後の2作は映像を通じて感じとることができる。セリフの言葉が通り過ぎていってしまうような弱さ(今までは見ている人の前で止まり弾けていた)と、目の動きが以前と違い生命力がない。いつも楽しみにしているファンにとっては寂しいところだが、演技している本人も大変だったのだろう。


第48作 男はつらいよ・寅次郎紅の花

公開日 1995(平成7年)12月23日
マドンナ役・他 浅丘ルリ子(リリー)・後藤久美子・夏木マリ・宮川大助・花子
ロケ地 奄美大島・神戸・岡山県津山市
上映時間 1時間47分
観客動員数 270万人
1995年(平成7年)
 歌・流行語・社会 ああいえば上祐・ポアする・危機管理・地下鉄サリン事件・阪神淡路大震災・青島幸雄東京都知事・横山ノック大阪府知事
恵二郎のひとこと
(2000.4.5)  山田洋次監督が、このシリーズの最終回として制作したのではないかと思われるほど、この第48作は、いろいろ意味深い場面が多い。
 寅さん映画のマドンナとして一番人気があり、唯一寅さんと結婚してもいいと真剣に言ったリリーの出演、また今までの多くのマドンナとの回想シーン、この映画の前に放映されていたテレビ版「男はつらいよ」で、寅さんがハブにかまれて死んだ場所と同じ沖縄を舞台にしていること、満男と泉の恋が実を結んだこと等々、ほかにも考えれば、いろいろ思い当たることが多い。
 山田監督は、渥美清の病気を知っており、もうそれ程永くこのシリーズを続けることはできないと考えていたのだろう。渥美清(寅さん)は、この時67歳、倍賞千恵子(さくら)は54歳になっていた。出演者の表情から、このシリーズがいかに永く続いたかがよくわかる。第1作から26年の歳月が流れているのだ。
 寅さんファンのひとりとして、「男はつらいよ」を何度も繰り返し見ているうちに、「寅さん一家のその後」をテーマに、もう一度新作を作って欲しいと思うようになった。吉岡秀隆(満男)も、味のあるうまい役者だし、さくらや博が、おいちゃん・おばちゃんの後を継いで、「くるまや」で働いているシーンなど面白いと思うのだが。「寅さん」は、今まで通り旅にでているという設定で・・・。
 「寅さん」が出演しなくても、喜怒哀楽が一杯に詰まった感動を与えてくれる「寅さんマインド」は、いつまでも私の心の中に残っている。

まとめ

言わずと知れた男はつらいよシリーズ映画で48作品って凄いですよね。全作品制覇した方は少ないと思います。せっかくの機会なので男はつらいよの日。一昨品ぐらいみてみてはいかがでしょうか?





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