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追悼。大物俳優松方弘樹さんのプライベート伝説。遠山の金さんの豪快な人生。

公開日: : 芸能関連


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こんにちは、ヒロです。

俳優の松方弘樹さんが亡くなったようです。
私の中での松方弘樹さんの一番の印象は、やっぱり遠山の金さんでしたね。
松方弘樹さんといえば、色々な伝説を持っていた方です。
伝説について語られたラジオがあったようなので伝説について見ていきたいと思います。


松方弘樹さんの伝説

吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で松方弘樹さんについてトーク。玉袋筋太郎さんと、その破天荒すぎるエピソードの数々を話していました。



(玉袋筋太郎)さあ、そんな話もありますが。今回は松方弘樹さんのね、その筋を。豪ちゃん、ちょっとお願いします。

(堀井美香)それではですね、松方弘樹さんのあらすじとその筋をご紹介ます。1942年、俳優近衛十四郎さんと女優水川八重子さんの長男としてお生まれになり、60年に父の所属する東映に入社。映画『十七歳の逆襲・暴力をぶっ潰せ』で俳優デビュー後は、時代劇を中心にその甘いマスクで二枚目スターとして人気を博します。以降、『仁義なき戦い』『修羅の群れ』『最後の博徒』といったヒット映画に多数出演し、91年には『江戸城大乱』で日本アカデミー賞主演男優賞を受賞。以降、ドキュメンタリーやバラエティー、そして歌手など様々な舞台で活躍をされています。

(玉袋筋太郎)うん。

(堀井美香)そして、吉田豪さんの取材によりますと、松方弘樹さんのその筋は、その1、男の憧れ、東映スターの酒豪伝説の筋。その2、東映城の暴れん坊。街で800人斬り伝説の筋。その3、下ばかり見ていた新人時代。日本のハリウッド、京都太秦の筋。その4、時代劇から仁侠映画の時代へ。『仁義なき戦い』の筋。そしてその5、ギャラが安いならキャバレーで歌えばいいじゃない?の筋。以上、5本の筋となっております。

(玉袋筋太郎)もう松方さんの話をするとなったら、時間が、尺が足りないよ。

(吉田豪)全く足りないです。ええ。

(玉袋筋太郎)まあ、三日三晩語ったって語れるっていうね。

(吉田豪)いくらでも語れますが(笑)。まあ、ね。短めで。

(玉袋筋太郎)さあ、いまちょっと大変なことになっちゃってますけども。

(吉田豪)そうなんですよ。エールを送る意味で。

(玉袋筋太郎)行きましょう。

(吉田豪)そんなわけで、1個目からですね。

(玉袋筋太郎)男の憧れ、東映スターの酒豪。やっぱりお酒だよな、松方さんって言ったら。

松方弘樹の酒豪伝説


(吉田豪)そうなんですよ。現在73才。ちょっと病気療養中なんですけど。橋本真也さんが『男の憧れと言えば松方弘樹』ってよく言っていて。

(玉袋筋太郎)おうおうおう。

(吉田豪)松方さんに憧れるあまり、マオカラーのスーツみたいなジャージを勝手に作って。選手会長時代に。みんなが迷惑したっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)そうそうそう!

(吉田豪)それぐらい、好きだったんですよ。で、『酒の席でもかっこいい。俺はあんな男になりたい』って言っていて。とにかく、お酒なんですけどね。ただ、お父さんが大酒飲みで実はお酒、嫌いだったらしいんですよ。

(玉袋筋太郎)あ、近衛十四郎さんがもう大酒飲みで?

(吉田豪)そうなんですよ。だから、最初は一滴も飲めなかったんですけど、17才で映画業界に入って。まあ、いまはあれですけど、1年足らずでもう2升酒ぐらい飲むようになって(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)。いい時代ですなー!

(吉田豪)飲まないと、輪に入れないらしいんですよ。

(玉袋筋太郎)まあまあ、そりゃそうだね。

(吉田豪)で、何度も酔い潰されながらも、やっぱり先輩の言うことは絶対で。飲めない酒も『飲め!』って言われたら飲まなきゃいけないから。知らないうちにものすごい酒豪になって。

(玉袋筋太郎)すげーよ、それは。もう東京ドーム3杯分ぐらい飲んでいるだろうね。

(吉田豪)もう、だって松方さんの飲み会の場合って、ブランデーの瓶が山になって。まあ基本、1人頭1本飲むっていうルールみたいで。

(玉袋筋太郎)そうでしょう?俺の師匠と、やっぱり『元気が出るテレビ!!』時代に2人で3升空けたっつったからね。3升だよ?酒。

(吉田豪)だから、NHKの大河ドラマに出ていた時も、控室に酒瓶を並べていたらしいんですけども。それもまあ、差し入れがお酒しか来なかったらしいんですよ。で、ラストロールになると、スタッフさんが出演者の分だけズラッと水割り作ってくれて。それを飲んでから出かけたりしていたんですけど。

(玉袋筋太郎)かっけー!

(吉田豪)で、そのお酒を途中で盗み酒していたのが宍戸錠さんで。宍戸錠さんは収録中からずっと飲んでいたっていうね。

(玉袋筋太郎)らしいねえ!錠さんは。それ、ダンカンさんも言ってたもんな。『宍戸さんはもうずっと飲んでるからな』って。

(吉田豪)僕のインタビューの時も飲み始めて。『お前も飲め』って言って(笑)。

(玉袋筋太郎)まあ、笑えないんだけどもね。俺も。人のことを言えないんだけど(笑)。

(吉田豪)(笑)。で、宍戸さんはもう途中から酔っ払ったら会話がどんどんループし始めるっていう(笑)。大変な状態でしたけども。まあでも、それだけ飲んでいたのが、もうこの時点で『5年前にやめた』って言っていたんですよ。なんでお酒をやめたか?っていうと、やっぱりお父さんも、好きだった鶴田浩二さんも、萬屋錦之介さんとかも、みんなお酒で最終的に死んじゃったんで。で、梅宮さんとかに誘われてもきっぱりやめたというね。

(玉袋筋太郎)おおー!そうだよな。みんな、そうだね。スターはね。勝さんもそうだし。みんな酒なんだわ。うん、これが。

(吉田豪)ある時期でやめるかどうか?ですよね。

(玉袋筋太郎)そう。ねえ。ある時期・・・コノヤロー!(笑)。

(吉田豪)(笑)


800人斬り伝説


(玉袋筋太郎)さあ、その2に行きましょう。暴れん坊。街で800人斬り。やっぱプレイボーイっつったらもう、松方さんだよな。

(吉田豪)まあ千人斬りっていう説もあるんですけど。

(堀井美香)あ、800人斬りって、そういう斬りっていうことですね。

(吉田豪)そうですよ。石川五エ門的な方じゃなくて。ルパンの。そっちじゃなくて。そうなんですよ。賭け事にぜんぜん興味がなくて。とにかく、この世界に入ったら大変な時代だったと。右を向いても左を向いてもべっぴんさんばっかりっていうことで。で、京都の太秦っていったら日本のハリウッドで。で、松方さんはどこに行ったって俳優として顔が通る。街に行ったらそりゃモテるっていうことで、800人斬り。

(玉袋筋太郎)だって俺がもし女だってね、そんな、松方さんがいたら、そりゃあもう許しますよ。全部ですよ、もう。

(吉田豪)ちなみに10代で童貞を喪失した時は、お母さんにすぐに報告したっていうエピソードもありましたよ(笑)。

(玉袋筋太郎)えらい大らかな時代だよな。

(吉田豪)で、当時ね、店の女の子がすごい粋で。出世払いで飲ませてくれたっていうことで、金はホテル代と女の子に使った』って言ってましたね。

(玉袋筋太郎)おわー!いいねえ!

(吉田豪)でも出世してちゃんとお金は返したらしいんですけどね。まあ、当時の東映の伝説っていうのはね、本当山城新伍さんとかがね、新しい女優さんが入ってきたら、誰が落とすか?を賭けでやっていたっていうね。

(玉袋筋太郎)うんうん。

(吉田豪)で、梅宮さんもこれ、有名な話ですけど。プロデューサーに脚本の注文をしていたと。内容の修正とかじゃなくて、『男優が5人出ていたら、女優も5人にしろ。そうじゃないとケンカになる』っていうね。

(玉袋筋太郎)(笑)。すごいよね。で、山城さんの場合はもう、誰かが行った後の女優さんも行くからね。で、『お前、そういうこと大丈夫なのか?』『うん。風呂入って洗えば大丈夫だ』っつったっていうね(笑)。

(堀井美香)ちょっと!本当ですか?(笑)。

(吉田豪)当時ひどいのが、こういう人たちの対談で、『同じ人に◯病を伝染された』とかそんな話、普通にしてるんですよ。もう、ルールが違うんですよ、いまと(笑)。

(玉袋筋太郎)違うよね(笑)。

(吉田豪)『お前のせいで、みんな伝染ったやないか!』みたいなことを(笑)。ひどい!

(玉袋筋太郎)で、松方さんがさ、やっぱりなんかすげーいい女と若い頃付き合っていて。で、その女の部屋に行った時に、ドンドン!と。男が来ちゃったらしいんだよ。で、『隠れて!隠れて!』って松方さん、クローゼットに隠れたら、入ってきたのが力道山だったっていうね。すごい話があるぜ、それ。

(吉田豪)力道山と奪い合いの話、結構みんなしますよね。ミッキー安川さんも言ってましたよ、そんな話(笑)。

(玉袋・堀井)(笑)

(吉田豪)この世代の人の特徴は、平気で人の話をするんですよ(笑)。『そういう話だと、面白い話あるよ!』って、平気で千葉真一さんのことを売るんですよね(笑)。『「あゝ同期の桜」っていう作品で九州にロケーションに行った時に、俺と千葉ちゃんの2人でね、女中さんをおさえこんだんだよね』みたいな(笑)。千葉さんの話を売っちゃダメですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)。千葉さん、いいなー。

(吉田豪)とか、辰兄いの話とか、平気で売るんですよ。釣りの番組でアラスカ、アンカレッジに行った時の打ち上げで・・・まあ、『釣りの番組』っていう時点で比較的最近な気がするんですけど(笑)。

(玉袋筋太郎)まあまあまあ、ねえ。でも、『松方弘樹世界を釣る』はやっていたからね。日曜日の名物番組。

(吉田豪)で、辰兄いは『そういうところにこれから行くけど?』って松方さんが誘ったら、『俺は嫁が外国人なのにここに来てまで外国人を相手にする気はない』って言って断られて。で、しょうがないってんでスト◯ップに行ったら、なぜか後ろ姿が辰兄いに似てる人がかぶりつきにいたと。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)『あんた、外国人は飽きたって言ってたじゃん!』と松方さん。で、見たらエ◯本を大事に抱えていたっていうね。しかも、いまみたいに大っぴらじゃない時代のエ◯本!っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)濃いねえ!

(吉田豪)で、しかもそれ、帰りに自分で持って帰らないで、松方さんの荷物の中に入れてきたっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)『お前は大丈夫だ』って言われたっていう(笑)。

(堀井美香)これ、取材されたんですか!?吉田さんが?

(吉田豪)そうです。『こういう話ね、いっぱいあるよ!』って言って(笑)。『いくらでもあるよ、こういう話!』って(笑)。

(堀井美香)すごいですね(笑)。こんなの、言ってくれるんですね(笑)。

(玉袋筋太郎)男だなあ!

(吉田豪)そうなんですよ。で、最近聞いたこういう話で、まあ松方さんの千人斬り伝説をある人が取材したらしいんですよ。そしたら、『それは誤解だ』って言っていて。『ああ、誤解だったのか』と思ったら、『違うんだよ。これね、一生で千人とかじゃなくて、俺、1年だったんだよ、それ』っていう(笑)。

(堀井美香)ええーっ!?

(玉袋筋太郎)すっげー!

(吉田豪)『1日3人ペースでさ』みたいな(笑)。

(玉袋筋太郎)マジック・ジョンソンだよ、これ。すごいね!

(吉田豪)異常です(笑)。

(玉袋筋太郎)異常だよね!異常すぎる!

(堀井美香)えっ?億、超えてるってことですか?

(吉田豪)いや、1年のすごい時がそうだったっていうね。

(玉袋筋太郎)そうそうそう。『億』ってそういう計算しちゃうの?堀井さん、それもすごいよ(笑)。

(吉田豪)それで20年とかやったら・・・みたいなね(笑)。

(玉袋筋太郎)トータルで億っつったらすごいよ。フィリピンに行ったあの中学の校長先生みたいな。あの先生だってすごいんだから。あれは悪いけどね。

(吉田豪)年齢の幅もすごかったしね。

(玉袋筋太郎)すごかったけど。いやー、まあね、絶滅危惧種なんだよ。うん。肉食恐竜。

(吉田豪)梅宮さんも含めて本当に、元気でいてほしい!

(玉袋筋太郎)元気でいてほしい!

(吉田豪)がんばれ!


京都太秦での新人時代


(玉袋筋太郎)さあ、その3。下ばかり見ていた新人時代。日本のハリウッド、京都太秦の筋っていうね。まあ、そのいい時代の太秦を知っている俳優さんっつったら、やっぱこういう年代の人たちですもんね。

(吉田豪)同じ東映の中でスカウトされて、東京の東映から京都の太秦の時代劇に移ったのが18才の時で。東京と京都はやっぱりぜんぜんスケールが違ったらしいんですよ。撮影所にいる人数がエキストラを含めて1万人っていうね。そう。香盤表が壁いっぱいで。外に全部流れているようなそんな時代で。毎日がお祭り。とにかく人だらけ。先輩も大勢いる。っていうかむしろ、先輩しかいない。

(玉袋筋太郎)うん。

(吉田豪)だからもう、頭下げっぱなしらしいんですよ。18才とかじゃ。『だからね、結構お金拾いましたよ』って言っていて(笑)。どういうことか?っていうと、みんなお金を懐に入れて、撮影場所のセットでダーッ!っと走るんで。結構距離があったんで、結構な確率でお金が落ちていたから。相当それで稼いだっていう。

(玉袋筋太郎)おおー!

(吉田豪)ただ、俳優コーポの4階に住んでいて、4階から1階に下りてくるだけでも何百人かに頭を下げなきゃいけない状態だったんで。もうそれが辛いっていうんで、頭を下げないでいいように、4階から外にロープ垂らして。ロープを伝わって出ていたっていうね(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)。それが『野生の証明』の『レンジャー!』に(笑)。

(吉田豪)役立った!(笑)。

(玉袋筋太郎)そう。『レンジャー!』って。そうだよ。いや、でも松方さんとうちの師匠もね、ずーっと『元気が出るテレビ!!』でやっていたじゃない?で、当時うちの師匠が四谷で北野屋っていうね、割烹料理屋をやっていたんですけど。

(吉田豪)はいはい。マッチ持ってます(笑)。

(玉袋筋太郎)あ、マッチ持ってる?すげー!そうすっとさ、松方さんがさ、松茸のシーズンになるとさ・・・もうスケールが違うよね。松茸100キロだからね。

(吉田豪)100キロ!?

(玉袋筋太郎)100キロ送ってくんだから。北野屋に。

(吉田豪)(笑)

(堀井美香)国産の?

(玉袋筋太郎)国産の松茸。

(吉田豪)時価いくらですか?

(玉袋筋太郎)たいへんだよ!たぶん京都の山の裏の方のさ、持ってるのかわかんねーんだけど。100キロ。で、軍団っつったって、まあ30人ぐらいじゃない?それでもう、松茸パーティーだよ。こう、焼いたりさ、蒸したりね、やったんだけども。最終的には板さんも、もうキリねえじゃん?100キロ、捌けねえから。最後、カレーに入れたっていうね。

(吉田豪)もったいない(笑)。

(玉袋筋太郎)松茸カレーになった(笑)。

(吉田豪)風味、全部なくなりますよ!絶対、転売した方が儲かりますよ、それ(笑)。

(玉袋筋太郎)わけわかんないよ。本当、転売した方がよかったね。それぐらいのスケールだからね。松方さんの。100キロだよ!?

(吉田豪)カレーに入れたらたぶんエリンギと大差なくなりますよ(笑)。

(玉袋筋太郎)エリンギ並。そうやって食べていた。俺たち。うん。さあさあ、そんなスケールの松方さんです。やっぱりこれね。『仁義なき戦い』シリーズ。好きだなあ。

『仁義なき戦い』


(吉田豪)そうですね。で、時代劇から60年代半ばに仁侠映画メインの路線に変わって。松方さんは26才の時に大映にまず、移るんですね。大映は勝新さんしかスターがいなかったんで、ここなら主役が取れると勧められたんですけど、2年して大映が潰れちゃって。しょうがないから、上がつかえている東映に戻った。で、東映ではうだつが上がらない。

(玉袋筋太郎)うん。

(吉田豪)当時の岡田茂社長からは『30才までは辛抱せい』って言われて。で、がんばって30才になったら、『40才までは辛抱せい』と言われ。そんな中で、『仁義なき戦い』が73年に31才の時にできたっていうね。

(玉袋筋太郎)31才だったんだ。あの坂井の鉄っつぁんやった時は。

(吉田豪)だから顔が若いっていうことで、メイクで隈を入れたりとか。歌舞伎みたいに朱色を入れたりとかして。で、やっぱりそれでもね、健さんのおでこのシワがほしいとか、鶴田さんのシワがほしいとか思ったと。

(玉袋筋太郎)珍しいね。やっぱシワがほしいんだ。

(吉田豪)やっぱりでもね、31には思えないですけどね。あの凄み。

(玉袋筋太郎)思えないね。うん。

(吉田豪)『でもやっぱりね、役者っていうのは40才からですよ』って言われてましたね。『40才で「修羅の群れ」の主演をやって、やっと一丁前かな?と思った』っていうね。

(玉袋筋太郎)見たよ。『修羅の群れ』まで。そこまで一丁前になったっていうのを思わなかったって、すごいなー!

(吉田豪)ただ、ところがそれで一丁前になった瞬間ぐらいから、仁侠映画が少なくなっていくんですよね。世の中の問題で。そういう作品を作ろうとすると、ちょっと警察が圧力をかけてきたりとかね。特に、テレビに出るんだったらいろいろマズいとかでっていうことで。まあ、それ以前には本当、東映ってデタラメだったので有名じゃないですか。

(玉袋筋太郎)そうでしょう。

(吉田豪)まあ、その筋の方が撮影所に来て、演技指導を直接することもあったしっていう。だから、有名な話ですよ。山城新伍さんが言っていたんですけど。賭博のシーンとかでリアリティーがないと、『ダメだよ、お前ちゃんと本物に習わないと』って怒られるっていうね(笑)。

(玉袋筋太郎)そうだよ!手本引きなんか、本当だからね。あれ。手本引きなんて、放送じゃ言っちゃいけないぐらいの博打だからね。手本引きっつったら。うん。

(吉田豪)梅宮辰夫さんのリアリティーも『本物から習ったから』って言ってましたから(笑)。モデルにちゃんと直接会って、みたいな(笑)。

(玉袋筋太郎)まあ、コンプライアンスの緩い時代だな。うん。で、このギャラが安いならキャバレーで歌えばいいじゃないっていうこの筋ね。まあ、昔の俳優さんってもう、キャバレーがあったから。そういったところのステージって、かならずやっていたみたいだからね。うん。


安いギャラとキャバレー営業


(吉田豪)NHKの大河ドラマ『勝海舟』。74年。これが渡哲也さんの降板で10回目から主役交代っていう珍しいパターンだったんですけど。まあ、これが当時ね、ギャラが安いってさんざん文句を言っていたんですよ。『NHKは安すぎる。週5日拘束で、これか?』っていう。で、しょうがないからね、歌手活動の営業に行って。80本ぐらい行っていたって言うね。

(玉袋筋太郎)おおー!

(吉田豪)で、しかもそれ、『ギャラが安いから歌で営業する』って、当時も公言していたんですよ。で、モメますよね?NHKと(笑)。

(玉袋筋太郎)モメるよな。そりゃそうだよ。

(吉田豪)まあでも、歌えるだけで収入がぜんぜん違うっていうね。沖縄から北海道までキャバレー周りをしてっていう。そうやって営業をやっていくうちに、しゃべりが楽しくなって。ラジオと営業で話術を勉強して、バラエティー番組の道ができていくんですよね。

(玉袋筋太郎)ああー!やっぱり松方さんのイメージね、それが変わったっていうのはやっぱり『天才たけしの元気が出るテレビ!!』だもんね。

(吉田豪)そうですね。それまで、ああいうのを全くやっていなかったですもんね。

(玉袋筋太郎)ないないない。

(吉田豪)最初はもうちょっとなんかね、ちゃんとしたコントみたいな番組だったじゃないですか。

(玉袋筋太郎)そうそうそう。会社設定でね。

(吉田豪)そうです。演技も必要な。それが、ただのバラエティーというか。行き過ぎたバラエティーにあっていって・・・(笑)。

(玉袋筋太郎)そう!それでVみてさ、松方さんのあの破顔大笑。

(吉田豪)甲高い声でヒーヒー言うっていう(笑)。

(堀井美香)泣いてましたもんね。いつもね。

(吉田豪)あの甲高い声は完全に演技だったらしいんですけど。汗はガチだったっていうね。まあ本当、1時間番組の収録で4時間しゃべっていて。いちばんすごい時は6時間やってね。観覧に来ていたお客さんの電車がなくなるぐらいだったっていう。

(玉袋筋太郎)これがさ、その時テレビ局も景気がよかったから。大変だわ。期末にかならずやるんだよ。スタッフを集めて、慰労会みたいなのを。まあ、『元気が出るテレビ!!』のその慰安会。俺たちが司会をやってるんだけど。

(吉田豪)伝説、聞きましたよ。

(玉袋筋太郎)すっごいよね。

(吉田豪)あの大金が飛び交う慰安会が。

(玉袋筋太郎)もうね、ジャンケンやって、こんなお金が入るのか!?って(笑)。

(吉田豪)(笑)

(堀井美香)へー!

(玉袋筋太郎)まあ、スタッフの数も多かったしね。

(吉田豪)制作費もすごかったっていう。

(玉袋筋太郎)制作費もすごかった。商品だってすごかったもんね。だって相棒はあん時、スクーターを新車でもらったろ?俺も25万の金のネックレス当たっちゃって。

(吉田豪)おおーっ!

(玉袋筋太郎)それをうちの師匠が『10万で売ってくれ』って俺に言って。で、俺が、普通ね、師匠だったら『どうぞ!』って言うんだけど。10万で売ったっていう。俺も俺だよ。

(吉田豪)(笑)

(玉袋筋太郎)うん、そう。いいよなー!

(吉田豪)そう。観覧が女の子ばっかり200人ぐらいいたんで、出て行くだけで恥ずかしくて汗をかいていたらしいんですよね。単純に。そんな時に高田純次さんが後ろから、『あのね、下から5番目の左から3人目。パン◯見えてる』とか言ってくるっていうね(笑)。『恥ずかしくて見れないですよ、そんなもん。余裕がないんだから』っていう。

(玉袋筋太郎)おおー、いや、どうですか?この伸び伸び野球だよね。野球で言えば本当伸び伸びしてましたよね。

(吉田豪)で、ちなみにたぶんこれ、まだ表に出てない衝撃のエピソード。僕らだけが喜ぶような話。当時、子供の頃ですよ。ルー・テーズの岩石落としをやって、弟の鎖骨を折っちゃったっていう話をしてて(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)あの、目黒祐樹さんをバックドロップで・・・(笑)。骨折してたっていう(笑)。衝撃の事実が明らかになりましたよ。

(玉袋筋太郎)いい時代だなー!

(吉田豪)ただまあ、こういうひどい話をした中で、本当にこれね、もう昔話です。

(玉袋筋太郎)昔話!

(吉田豪)いちばんひどい話としては、『本当、あの頃ね、当時ひどかったからさ。うちに小指が送られてきたことあるよ』って言っていて(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(堀井美香)昔話ですから。

(玉袋筋太郎)昔話ですよ!

(吉田豪)『困るっての、そんなの!送られてきても』っていうね(笑)。

(堀井美香)幻想かもしれない(笑)。

(吉田豪)幻想です。

(玉袋筋太郎)そうそう。幻想。

(吉田豪)おもちゃかもしれない。

(玉袋筋太郎)おもちゃですよ。

(中略)

(玉袋筋太郎)いやー、豪ちゃん、ありがとう。今日は本当、よくがんばった。今日もよくがんばった!

(吉田豪)ねえ。たぶん小林悠さん、気になっているはずなんですよね。ずっと引っ張られて。でも、聞けなかったという。

(玉袋筋太郎)まあまあまあ、しょうがねえ。しょうがねえ。番組の終わりにそりゃ発表すっから。


(吉田豪)はいはい。

(玉袋筋太郎)ありがとうございます。豪ちゃん、ありがとう!

(堀井美香)吉田豪さん、次回の登場は4月1日となっております。ありがとうございました。







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